皆さん、「バキ飯」って知ってます?
「グラップラー刃牙」第1話、主人公・範馬刃牙の登場シーン。
「バキコラ」でおなじみの例のページに登場する食事です。
- 特大タッパのおじや
- バナナ
- 炭酸抜きコーラ
- 梅干し
これらが揃うと「即効性のエネルギー食」になるらしく、「栄養バランスもいい」とのこと。
オイオイオイ、ほんとかよオイ。
即効性のエネルギー食はともかく、栄養バランスはあきらかに悪いでしょう。
そこで今回は「バキ飯」が本当にメガネ君の言うとおり、エネルギー効率・栄養バランスが共に優れたメニューなのか調べてみることにしました。
「即効性のエネルギー食」←大体あってる
●試合の2時間前まで
3時間前までに食事をとれなかったり、逆に時間が空きすぎてしまった場合は、試合2時間前までなら「おにぎり」、「もち」、「パン」、「うどん」、「そば」などの軽食はOKです。しかし、デニッシュ系のパン、天ぷらうどんなどの脂肪分を多く含むものは控えましょう。●試合の30分前
「バナナ」「オレンジ」「リンゴ」「ゼリータイプのサプリメント」など消化・吸収が早く、素早くエネルギーになるものを少量とるのがおすすめです。●試合5分前
試合開始直前や、長時間にわたる試合の途中では、「スポーツドリンク」「アメ」など消化吸収が速く、直接的なエネルギー源が有効です。
おじや、つまり炭水化物は消化してエネルギーに変わるまで2~3時間、
バナナ、つまり果物は消化に30分~1時間かかるのだそう。
炭酸抜きコーラ、は糖分そのものなので即エネルギーになります。
エネルギー満タン状態で試合を開始するために、アスリートは消化速度を考えて食べているんですね~。
しかし刃牙の場合、
出典:『グラップラー刃牙』第1巻22p
試合10分前にこれらの「バキ飯」を全部胃袋にかきこんでいる。
本来ならば数時間前に食べておかなかれば消化できない、
「おじや」「バナナ」を試合直前にドカ食いしているのだ。
まさに超人的な消化力というほかはない。
メガネ君「梅干しも添えて栄養バランスもいい」←?
本来僕たちが考える「栄養バランスがいい」というのは野菜とか肉とかをバランス良く栄養補給することです。
さきに述べたように、そもそも試合直前は、消化が速い炭水化物や糖分しかエネルギーになりません。
野菜・脂肪・タンパク質などは消化に時間がかかるからです。
なのになぜメガネ君は「栄養バランスもいい」などと的外れなことを言ったのでしょうか?
きっとメガネ君の意図は別の所にあったのではないか、と僕はにらみました。
梅干しに含まれるクエン酸効果で「食い合わせがいい」
梅干しはクエン酸を多く含み、疲労の原因である乳酸を減少させる効果がある、と考えられてきました。
が、最近は「乳酸は疲労物質ではない」という研究結果もあり、クエン酸による疲労回復効果は疑問視されるようになりました。
しかし他にもクエン酸にはアスリートにとって重要なメリットがあるのです。
さて上記2例の実験結果からクエン酸の効果は以下のことが言えます。
➀運動の持続力の向上
➁グリコーゲン補充のスピードアップ➀が起きる理由はクエン酸がエネルギー源になるためです。
あんまり頭の痛くなるようなことは書きたくないので詳しい部分は省きますが、クエン酸を使用しエネルギーを生み出す回路のようなものが存在します。そのためラットの運動持続時間が伸びたわけですね。
➁は運動後などグリコーゲンが体内から枯渇した際、速やかなエネルギー補給が可能になります。またマラソン中のドリンクにクエン酸を混ぜれば素早くエネルギーを補給することが可能です。
つまり刃牙は、梅干しを食べることで、運動の持続力向上と、おじややバナナで摂取したグリコーゲンを素早くエネルギー変換することを実現しているわけですね。
梅干しを添えることは、エネルギーを補給するという点において、「食い合わせのバランスがいい」と言えるのではないでしょうか。
メガネ君はそれを知りつつも、言葉選びを盛大にミスり「栄養バランスもいい」と言ってしまっただけなのです。多分
表現したい言葉が出てこないことは僕もよくあるので、彼を責めることはできません。
まとめッッッ!!
- 「バキ飯」は即効性のあるエネルギー食である
- おじやは2時間前、バナナは30分前、炭酸抜きコーラは直前に飲むと良い
- 梅干しは「糖分→エネルギー」の変換を加速させる
- だから「食い合わせのバランスがいい」
- メガネ君は言葉の選択を間違っただけなんです
「バキ飯を実際に作って食ってみた」↓